自分らしい人生を
おくるために「終活」を考える
「終活」と聞いてどんなことをイメージしますか?生を受けた限り必ず、「死」は訪れます。
もし、そこが人生の終着点とするならば、ゴールまで自分らしい人生を送るための準備が
「終活」です。ではいったいどんなことをすればいいのでしょうか?
「終活」について、玉泉院総館長の田丸裕太さんにお話を伺いました。
総合葬祭玉泉院総館長
田丸 裕太 さん
自分らしい人生を
おくるために「終活」を考える
「終活」と聞いてどんなことをイメージしますか?生を受けた限り必ず、「死」は訪れます。もし、そこが人生の終着点とするならば、ゴールまで自分らしい人生を送るための準備が「終活」です。ではいったいどんなことをすればいいのでしょうか?「終活」について、玉泉院総館長の田丸裕太さんにお話を伺いました。
総合葬祭玉泉院総館長
田丸 裕太さん
後ろ向きに捉えずに
生への活力となるように
終活という言葉が使われるようになったのは、確か2009年ごろ。週刊誌やテレビで、紹介されるようになって、2012年には流行語大賞にノミネートされて社会的に大きく注目されました。折しも日本は超高齢化社会が急速に進み、団塊の世代の人たちが定年退職を迎えるという事情もあったかと思います。
「就活」とは「人生の終わりについて考える活動」を略した言葉です。死は誰も避けられないものです。しかし多くの人はこれまで「死という確かな事実」から目を背けてきたように思います。それでも最近は、死と向き合って自分の意思を反映した最後を迎えたい、あるいは人生を総括したいという人が増え、終活への関心が高まっています。
私どもの会社では事前相談というものをおこなっています。元気な内に自身で、あるいは家族と一緒に、葬儀のことや遺影の写真、お墓など様々なことを相談されに来られます。これは立派な終活です。来られるみなさんは前向きで、本人も家族も納得、安心という表情をされます。終活とはしっかりと自分の意思を伝える、思いを残すということ。そして家族の負担をなくすための作業だと私は考えています。
玉泉院で行われている事前相談には、
夫婦や家族連れなど多くの人が足を運びます
人生をふり返り、これからを文字にする
エンディングノートを書こう
終活の準備するにあたって「エンディングノート」というものがあります。弊社では事前相談に来られた方に無料でプレゼントしているのですが、ノートには規定というものはなく本人のプロフィールや自分史、葬儀やお墓、遺影写真の希望、介護のこと、終末医療について、また財産管理などを明記するのが一般的です。これまでの人生を振り返り文字にすることで、自分の気持ちがはっきりと見えてきたり、何となく抱えていた不安が解消されたりとこれからの意欲にも繋がります。
エンディングノートは遺言書と違って法的効力はありません。いつでも書きかえられるように、鉛筆で書くことを勧めています。生きている内はいろいろな変化が起こりますし、気持ちも変わります。何度でもエンディングノートは書き直せばいいのです。
しかし遺産相続に関してはエンディングノートでは法的効力を発揮しませんので、きちんと遺言書を作成して遺産相続を明記しておくことが必要です。遺言書は法律で定められた範囲内で書く必要があります。自身で書くこともできますし、専門家に相談して作成することもできます。家族間の遺産相続に関するトラブルは決して少なくはありません。家族のためにもきちんとした遺言書を残してあげましょう。
エンディングノートに
記載する項目の例※エンディングノートは規定の形はありません。これはあくまでも目安です。
項目別に分けておくと書きやすく見やすくなります。
名前、生年月日、血液型、住所、本籍地、住民票コード、マイナンバーなど
学歴、職歴、結婚、出産、幼少期からの思い出、特技、趣味・関係する人柄との間柄や連絡先(家族構成、友人、知人、職場関係者、恩人、法的関係の相談者など)
預貯金、口座番号、公共料金などの自動引き落とし情報、クレジットカード情報、基礎年金番号、各種加入保険、株式、不動産、借入金やローン、有価証券や金融資産など
希望する介護や医療施設、費用、後見人(財産管理などを任せられる人)、延命措置の詳細、臓器提供、介護や治療方針の決定者など
喪主に頼みたいこと、宗派や宗教、戒名や法名、葬儀業者や会場、費用や葬儀の内容、遺影写真、棺に入れて欲しいもの、参列者リストなど
埋葬方法、希望墓地、購入費用など
遺産分割の内容、遺言書の有無、相続リスト、それらの保管場所など
終活は思い立った日が始め時、
家族もいっしょに考えて
終活をいつから始めるべきか、それには答えはありません。ただ、今の世の中何が起こるかは誰もわかりません。先延ばしにしていて、自分の意思に反する終末を迎えたとしたら、それは本人や家族にとっては残念なことです。「終活」と頭に浮かんだ日が始め時かもしれません。高齢の両親を抱えている方も、本人のために終活を勧めてみてはいかがでしょう。大切な両親が余生を自分らしく送るために、そっと背中を押してあげることも優しさです。葬儀や財産のことだけでなく、生きているうちに家族や友人、知人に感謝の気持ちをしたためたり、やり残したことを書きためたりすれば、これからの人生でやることが明確になり、生への意欲に繋がるのではないでしょうか。
総合葬祭玉泉院 南熊本本館