福祉現場の人材確保に向けた取り組み
全国的にも高齢化が進んでいる熊本県。
今後は団塊世代の高齢化に伴い75歳以上の後期高齢者はさらに増加する一方、少子化による生産年齢人口の減少もあり、介護の人材確保が喫緊の課題となっています。
こうした状況に対応すべく、現在、国および県が進めている方策や事業を紹介します。
日本では現在、人口の25%が65歳以上であり、そのうちの約半数が75歳以上。10年後の2025年には人口の30%が65歳以上になり、当然ながら介護が必要な人は今以上に増加します。では、どれだけの介護職従事者が必要となるのでしょう。
厚生労働省が2015年に発表した介護人材の2025年の需給推計では、必要とされる人材需要見込み253万人に対し、供給見込みが215万人となっており、さらに約38万人の人材確保が必要とされています。
このような現状を踏まえ、国は2015年に「2025年に向けた介護人材の確保~質と量の好循環の確立に向けて~」と題した報告書を作成。中長期的な人材確保の計画策定を打ち出しています。
国の方針を受け、熊本県でも将来を見据えた介護人材の確保に向けて様々な事業を展開しています。事業を推進する上で一番の要となるのは、新しく介護の仕事に携わる人を増やす「新規参入」と、現在介護の仕事に就いている人に出来るだけ長く働いてもらう「定着」の促進。そのために、熊本県では次のような取り組みを行っています。
2014年度の介護職従事者を対象とした調査によると、介護の仕事を選んだ理由として最も多かったのが「働きがいのある仕事だと思ったから」、次いで「資格や技能が活かせるから」「今後もニーズが高まる仕事だから」とあります。介護の仕事は、やりがいがあって、身に付けた資格が活かせる仕事、将来にわたって求められる仕事だと、働いている人自身が感じていることが分かります。
介護職をはじめとする福祉職の需要は増加していますが、優れた人材を確保するには働きやすい職場環境の整備や魅力のPRが重要。そのためには事業者や国・自治体が役割に応じ、人材確保や定着に向けた主体的な取り組みを進め、連携していくことが求められます。その一環として県では、介護の職場体験や就職相談事業等を行い、就職希望者の支援を行うなどしています。また、社会に巣立つ若者への啓発も重要で、県内の中学校とその保護者を対象とした介護職の魅力を紹介した冊子の作成や、介護の日イベント開催への支援、実際に現場で働く若手職員を講師とした出前授業を行うなどしています。
福祉の仕事に関わることの魅力を発信し、多くの人に興味や関心を持ってもらうこと。そして一人でも多くの人に福祉・介護の仕事に就いてもらうため、これまで以上に関係機関による積極的な事業推進を行っていくことが求められています。
熊本県健康福祉部長寿社会局高齢者支援課 ☎096-333-2215
福祉現場の人材確保に向けた取り組み
全国的にも高齢化が進んでいる熊本県。
今後は団塊世代の高齢化に伴い75歳以上の後期高齢者はさらに増加する一方、少子化による生産年齢人口の減少もあり、介護の人材確保が喫緊の課題となっています。
こうした状況に対応すべく、現在、国および県が進めている方策や事業を紹介します。
今以上に求められる福祉現場の介護職
日本では現在、人口の25%が65歳以上であり、そのうちの約半数が75歳以上。10年後の2025年には人口の30%が65歳以上になり、当然ながら介護が必要な人は今以上に増加します。では、どれだけの介護職従事者が必要となるのでしょう。
厚生労働省が2015年に発表した介護人材の2025年の需給推計では、必要とされる人材需要見込み253万人に対し、供給見込みが215万人となっており、さらに約38万人の人材確保が必要とされています。
このような現状を踏まえ、国は2015年に「2025年に向けた介護人材の確保~質と量の好循環の確立に向けて~」と題した報告書を作成。中長期的な人材確保の計画策定を打ち出しています。
熊本県でも多彩な事業展開を推進
国の方針を受け、熊本県でも将来を見据えた介護人材の確保に向けて様々な事業を展開しています。事業を推進する上で一番の要となるのは、新しく介護の仕事に携わる人を増やす「新規参入」と、現在介護の仕事に就いている人に出来るだけ長く働いてもらう「定着」の促進。そのために、熊本県では次のような取り組みを行っています。
熊本県の介護人材確保対策に係わる主な事業
多様な人材の参入促進
●介護福祉士等修学資金等貸付事業
資格取得を目指す学生への修学資金、再就職を目指す方への準備金貸与
●福祉人材マッチング機能強化事業
求人求職情報発信、合同就職面接会、等
●福祉人材若者参入促進事業
職場体験、介護職員と学生との座談会、中学校への出前講座、等
●福祉人材センター運営事業
職場紹介、就職希望者への説明会・講習会、等
●介護職~魅力いっぱい~広報推進事業
介護職の魅力を伝える冊子作成、広告掲載、等
●介護の日関連イベント
11月11日の介護の日に合わせて介護関係団体が開催するイベントを支援
職員の定着促進
●社会福祉施設人材確保応援事業
職員の処遇改善等に取り組む優良施設表彰、等
●介護人材確保啓発事業
勤務条件の改善を促す管理職向けセミナー
●長寿を支える地域の介護職員等研修支援事業
介護職員等が研修等に派遣される際の代替職員雇用に係る費用を支援
●介護職員による、たん吸引等の研修事業
たん吸引等のケアを安全に提供するための研修
●訪問介護員資質向上推進事業
介護知識、技術の取得のための講座実施
介護職は将来性が高くやりがいのある仕事
2014年度の介護職従事者を対象とした調査によると、介護の仕事を選んだ理由として最も多かったのが「働きがいのある仕事だと思ったから」、次いで「資格や技能が活かせるから」「今後もニーズが高まる仕事だから」とあります。介護の仕事は、やりがいがあって、身に付けた資格が活かせる仕事、将来にわたって求められる仕事だと、働いている人自身が感じていることが分かります。
介護職をはじめとする福祉職の需要は増加していますが、優れた人材を確保するには働きやすい職場環境の整備や魅力のPRが重要。そのためには事業者や国・自治体が役割に応じ、人材確保や定着に向けた主体的な取り組みを進め、連携していくことが求められます。その一環として県では、介護の職場体験や就職相談事業等を行い、就職希望者の支援を行うなどしています。また、社会に巣立つ若者への啓発も重要で、県内の中学校とその保護者を対象とした介護職の魅力を紹介した冊子の作成や、介護の日イベント開催への支援、実際に現場で働く若手職員を講師とした出前授業を行うなどしています。
福祉の仕事に関わることの魅力を発信し、多くの人に興味や関心を持ってもらうこと。そして一人でも多くの人に福祉・介護の仕事に就いてもらうため、これまで以上に関係機関による積極的な事業推進を行っていくことが求められています。
取材協力
熊本県健康福祉部長寿社会局高齢者支援課
☎096-333-2215
http://www.pref.kumamoto.jp/