ご存知ですか? “認知症カフェ”
みんなが安心して暮らせる街へ

高齢化が加速する社会で、認知症患者数も増え続けています。
そんな現状を踏まえ、認知症の人や介護者がより良い暮らしをするために様々な取り組みが行われています。
その一つが“認知症カフェ”。現在、全国的に広がっている“認知症カフェ”とはいったいどのようなものなのでしょうか。
熊本市中央区上通町にある『認知症の人と家族の会熊本県支部』が運営している認知症カフェを訪ねてみました。

世話人代表 内田 妙子さん

世話人代表

内田 妙子 さん

公益社団法人
認知症の人と家族の会
熊本県支部事務局

ご存知ですか?
“認知症カフェ”

みんなが安心して暮らせる街へ

高齢化が加速する社会で、認知症患者数も増え続けています。
そんな現状を踏まえ、認知症の人や介護者がより良い暮らしをするために様々な取り組みが行われています。
その一つが“認知症カフェ”。
現在、全国的に広がっている“認知症カフェ”とはいったいどのようなものなのでしょうか。
熊本市中央区上通町にある『認知症の人と家族の会熊本県支部』が運営している認知症カフェを訪ねてみました。

世話人代表 内田 妙子さん

世話人代表

内田 妙子 さん

公益社団法人 認知症の人と家族の会
熊本県支部事務局

参加は自由、誰でもOK
 認知症の人との交流も深めて

 上通町の手取天満宮のすぐ近くにある『認知症の人と家族の会熊本県支部』運営の認知症カフェ。街中のビルの3階にありながら、緑も多く静かでホッとできる場所にあります。
 「私どもは県と市の委託を受けて認知症コールセンター業務を主に行っています。認知症の相談を電話やメール、窓口相談を、水曜日以外の週6日、9時から18時まで受け付けています。その相談窓口がお休みの時、第1・第3水曜日の月2回を認知症カフェとして開放しています」と話すのは世話人代表を務める内田妙子さん。
 そもそも認知症カフェとはどんなものなのでしょうか。厚生労働省を中心に作成された「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」を元に、本人だけでなく介護者の支援を含めた様々な取り組みの一つが「認知症カフェ」。認知症の人や介護者の負担を軽減するため、本人やその家族が、地域の人や専門家と情報を共有し、お互いを理解し合うことを目的に、政府によって設置が推進されているものです。同カフェも平成28年の1月に開設され、以来毎回10人前後の人が訪れるそうです。一般的には誰でも自由に利用できます。
 「私どものカフェは参加費として100円頂いて、お茶とお菓子を提供しています。持ち込み自由なので、お菓子や弁当をみなさん持ち寄り語り合う、茶話会のようなものですね(笑)」。
 場所によって参加費はまちまちですが、100円~500円程度。そこそこの特色を活かしたカフェが運営されています。

お昼はお弁当持参で楽しい食事会お昼はお弁当持参で楽しい食事会

県内には86ヶ所開設
 悩みや情報の共有を求めて

 運営母体は自治体やNPO法人、ボランティアなどさまざまですが、県内には平成29年9月の時点で86ヶ所の認知症カフェが登録されています。その場所の情報は県や市のホームページに記載されています。カフェは自由に過ごしてもらうことを基本としていますが、必要に応じてはスタッフが相談にのる場合もあります。歌や工作など様々なプログラムを用意して、認知症の人の潜在能力を高めたり、楽しんでもらう工夫を盛り込んでいるカフェもあります。
 「ここでは基本自由に過ごして頂くようにしていますが、時々ボランティアの協力で口腔体操や指遊び、クリスマス会などの季節の行事なども行っています」。内田さんの話によると、同じ悩みを持つ認知症の人や介護する人たちがともに話すことで、共感したり励ましたり、それだけで元気になって帰られる方も多いそうです。

ボランティアの協力のもと、体操やゲームも交えてボランティアの協力のもと、体操やゲームも交えて

共感できる喜びや安心感
 地域の人たちの理解も

 認知症の人や家族の人たちは、なかなか人には相談できない現状にあります。そんな人たちがもっと気軽に集まれる、話せる場所として開設されたのが認知症カフェです。
 「ご本人さんがここへ来て、他の方と話したり何かを手伝ったりして、自分の役割を得て大変イキイキとされてくることもあります。介護の方は、同じ境遇の方と話すことで悩みを共感できる喜びや安心感、地域の人たちの理解を得られたり、あるいは新たな情報を得たりと、参加することでいろいろとメリットは多いようです」。
 現在、日本の高齢者の約4人に1人が認知症、またはその予備軍とも言われ、2025年にはその数が700万人を超えると予想されています。もはや認知症の問題は他人事ではなく、誰にとっても身近なことと言えます。本人が地域で自分らしく過ごす為に、また介護者もできるだけ負担が軽減できるよう、社会の問題として考えていく必要があります。
 もし当事者になったら一歩踏み出して、さまざまな制度や施設を利用して少しでも不安や負担を軽減していくのも大切なことです。例え当事者じゃなくても、認知症の問題に目を向け理解を深めることも重要なことなのです。

認知症カフェを視察する台湾の人たちと認知症カフェを視察する台湾の人たちと
取 材 協 力
公益社団法人
認知症の人と家族の会
 熊本県支部 認知症カフェ

熊本市中央区上通町3-15
 ステラ上通ビル3F
 ☎096-223-5164
〈営〉第1・第3水曜日11時~14時
 〈参加費〉100円(お茶・お菓子代)
 ※昼食をされる方はご持参ください
認知症ほっとコール
 認知症のことで困ったら
悩まないで気軽に電話を
熊本県認知症コールセンター
 ☎096-355-1755
〈相談受付日〉
水曜以外の毎日
(週6日、土・日・祝日も開設)
 〈相談受付時間〉9時~18時
nintisho@oasis.ocn.ne.jp
熊本県認知症カフェマップ