在宅生活を支える
“小規模多機能型居宅介護”
自宅や住み慣れた地域で暮らしたいという高齢者や家族を支えるために、
2006年に新設されたのが“小規模多機能型居宅介護”です。
いったいどんな在宅介護サービスなのでしょうか?
県内で小規模多機能型ホームを運営し、
熊本県地域密着型サービス連絡会の代表世話人でもある川原秀夫さんにお話を伺いました。
サービス連絡会代表世話人
特定非営利活動法人
コレクティブ理事長
川原 秀夫 さん
在宅生活を支える
“小規模多機能型居宅介護”
自宅や住み慣れた地域で暮らしたいという高齢者や家族を支えるために、2006年に新設されたのが“小規模多機能型居宅介護”です。いったいどんな在宅介護サービスなのでしょうか?県内で小規模多機能型ホームを運営し、熊本県地域密着型サービス連絡会の代表世話人でもある川原秀夫さんにお話を伺いました。
サービス連絡会代表世話人
特定非営利活動法人
コレクティブ理事長
川原 秀夫さん
通い、訪問、宿泊を組み合わせた
施設の在宅版のようなサービス
小規模多機能型居宅介護は、利用者が施設の「通い」を中心に本人の様態や希望に応じて「宿泊」や「訪問」を組み合わせ、自宅で可能な限り生活することを支援するサービスです。多くの人は介護が必要となっても、住み慣れた自宅や地域の中で大切な家族や親しい知人とともに暮したい、そう望んでいます。それを叶えるために、施設を居室にして必要な時は職員が訪問し生活をサポートし、また日中は施設に通って食事をしたりリハビリや娯楽を楽しんだり、入浴したり、あるいは宿泊するなど、1ヶ所の施設で「通い」「宿泊」「訪問」のサービスが受けられるものです。デイサービスやホームヘルパーのように決められたプログラムや利用回数制限もなく、個人に応じてオーダーメイドでマネジメントしていきます。宿泊はいつでも必要な時に、緊急の場合でも利用できます。普段通いなれた場所で、しかも顔なじみの職員が対応するので、混乱や不安が軽減されます。
紫蘇づくり
おはぎづくり
現在県内に約160の施設
費用は要介護度で異なり定額制
現在県内には160の小規模多機能型居宅介護施設があります。利用を検討中の方は市町村の担当窓口や地域包括支援センターなどに、もよりの事業所を問い合わせてください。また、現在の担当ケアマネジャーにご相談されてもかまいません。ただ、小規模多機能型居宅介護施設を利用するとなった場合は、それまでのケアマネジャーではなくその施設に在籍するケアマネジャーが担当するようになります。まずは一度訪問して自分にあっているかどうか確かめて、またどのようなサービスが受けられるのか相談されることをおすすめします。
利用料は1ヶ月単位の定額制になっています。要介護度や自宅かあるいは老人ホームや高齢者向け住宅などに住んでいるかによって負担額が異なり、おおむね1ヶ月で3000円台~2万7000円です。事業所によっては各種加算もございますので、詳しくは事業所にお尋ねください。
手引き
「通い」「宿泊」「訪問」を柔軟に活用
困ったときは24時間365日体制で対応
個人によって「通い」「宿泊」「訪問」のサービスはまちまちで、ある人は施設に通ってデイサービスと同じように運動をしたりレクリエーションに参加したりして過ごします。ある人は食事だけ、ある人は入浴だけという場合もあります。施設に通うために着替えなど身支度に介助が必要な場合は、職員が訪問して身支度を手伝います。通いがない時は職員が訪問して自宅でケアをしたり、時には散歩に付き添ったり、夜のおむつ替えなど、困ったときに24時間体制でさまざまなサポートを行っていきます。
その人が自宅での暮らしを続けるために何が必要か、何に困っているかを細かく見極めて、柔軟に支援していくのが小規模多機能型居宅介護です。しかし、定額料金でサービス量に制限がないといって、必要以上に利用してしまうと運営が難しくなります。高齢者の方が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを送るために、利用者と家族、そして地域の方と介護者がともに支え合ってこそ成り立って行くサービスなのです。